プレゼンテーションの方法、手段として最近では、多くの企画、提案書にパワーポイントで作成した資料が見られるようになってきました。
プレゼンテーションにパワーポイントでの資料作りがある程度の武器にはなるでしょう。
しかしこのパワーポイントが諸刃の剣になることもあります。
パワーポイントはもともとパソコンからプロジェクター投影して大勢にプレゼンテーションすることを前提に制作されているソフト。
それなのに机を挟んで1対1の商談においてもパワーポイントでカラープリントした提案書が並べられて『どうです!きれいで、イラストたくさんあってわかりやすいでしょう』
と言わんばかりに主張している人、ほんとたくさん聞きます。
ところが、パワーポイントで作ったがためにページ数が多くなり、なおかつ的を得ていない内容になっていたり、結論がなかなかでてこない。
など、聞いている側は、「いったいこの営業マンは何が言いたいのか?」「時間がもったいない」などと思っていますから、結局売れません。
では、どうすればいいのか?
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1、相手のニーズに合わせて構成を考える。
特に営業と営業技術、SE、営業事務など分業になっていて資料作成が人任せになっている場合などに構成の失敗が現れやすい。
つまり 『いい資料=どの企業でも受注できる資料』 と思いがちなのです。
お客様の要望としては
「すでに商品を購入した他社の感想、効果はどうなのか?」
「うちで購入すると何がどのように変わるのか?」
を知りたいものですが、そのような内容は一切無く
■今の御社は問題だらけですよ
■この商品を買わないと損しますよ
といった内容ばかりという間違った内容が多い。
これではお客様の反感を買っても「この商品が欲しい」と、なりにくいのです。
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2、相手のレベルに合わせて資料を作る。
お客様の目線で言葉を選びましょう。
たとえば、業務システムソフトをプレゼンする場にITにとことん弱い社長が出席していたりしてもプレゼン実施のSEは難しい言葉をならべて話したいことを話して満足していたりするケースは間違いです。
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3、結論を先に。
プレゼンテーションは簡潔に!
しかもできるだけ早く、結論を言うことが歓迎されます。
「このシステムを導入いただくと、御社の作業効率が約30%向上します。なぜそうなるかと言いますと・・・」
といった具合に結論、結果の内容を最初に言いましょう!
結論を言って引き付けたあとに 「導入するには・・」と補足説明に入れば例え途中退席されても
『おい、さっきの話・続きはどうだった?』
と、あとから検討していただける可能性が大きく残ります。
実際、忙しい役職・社長さんほど途中退席することが多いはず。
営業マンなら誰しも経験済みのことです
補足説明部分ではグラフやイラスト、フロー図をうまく活用することも理解を深める上では重要なキーになるでしょう。
しかし、必要以上のイラストや関係の無い写真はあるだけ邪魔。安っぽくなります
そしてプレゼンターはアイコンタクトと話しことば、強弱とスピードに気をつけることはもちろんのこと。
相手からの質問が途中で入ってきたり、せっかく順番に説明しているのに、おかまい無しにページをめくられても臨機応変にストーリーを変えることが必要です。
無理矢理 「では次のページをめくってください」 と進めたところで、お客様の気持ちは一気冷めてしまうだけです。
プレゼンテーションの目的は「理解してもらって購入を決断いただく」ことであって「プレゼンを最初から最後まで完璧に発表する」のでは無いことを肝に銘じてください。
その目的からすると、パワーポイントではなく、ワードやエクセルで作成した資料の方がわかりやすい場合もありますし、資料はまったく無しに話だけでプレゼンした方が簡単に受注が決まる場合もあります。
さいごに、ちょっと上級編プレゼンテーションについてのお話を。
ここから先は資料作る気まんまんのあなたには不向きな内容ですので、見ないでください。プレゼン無しでも売れればいい・・というあなたのための内容です。
資料を持参してないのに、パンフレットも持っていなかったのに一生懸命、質問に答えていたら売れていた・・こんな経験がありませんか?
それは偶然ではありません。
■お客様はきれいなプレゼン資料を目の前にすると「売り込まれる」という脅迫概念に襲われてしまう。しかも話の主体は営業マン側でお客様は聞くだけになる
■わかりづらい内容を図解無しでお客さんに説明するのは難しい。
この相反することを解決する方法があれば売れるんです。
それを解決する方法が
「資料無しでお客様の知りたいことに答えて欲しい、というものに対して専門家のアドバイスをする。わかりにくい内容にはその場で白紙に簡単な図を書きながら説明する・・まるで黒板で説明する学校の先生のごとく」
いままでの話はなんだったんだ!と言われそうですね・・でも、事実なんです。
何も持たない営業マン、話をゆっくり理解しながら聞いてくれる営業マンに対してお客様は「こいつ、俺に売り込もうとしてるな」とは思いません。
難しい言葉を使わず、図を描きながら理解させてくれる。そして数値、過去のデータなど肝心な部分だけ一覧表にした資料を取り出してくれる。
そんな商談をお客様は求めているのです。
その場で目の前にいるお客様のためだけに展開されるたった1回きりのライブトーク、それが究極のプレゼンなのです。
しかし、お客様の質問に答えることができて、『じゃあこれが欲しい!』と言うお客様のニーズが本当に正しいかの判断ができるななど、深い知識が無いと出来ない上級編。
中途半端な知識じゃ痛い目見ます。日々勉強ですね
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